新NISA、毎月いくら積み立てる? わが家のリアルな金額の決め方
執筆・確認:はいと|40代・4人家族の会社員。投資歴約7年、Webライターとして100本以上を執筆。
「新NISA、毎月いくら積み立てるのが正解なの?」
投資を始めようとすると、いちばん最初にぶつかるのが、この問いだと思います。私自身、ずっと悩んできました。この記事では、積立投資を続けてきた私が、リアルな積立額と、その金額を「どう決めたのか」を、包み隠さずお話しします。
増やす力シリーズでは、ここまで証券口座を開き、実際に積み立てている全世界株ファンドまで、投資の“中身”をお話ししてきました。
いよいよ今回からは、「では、毎月いくら積み立てるのか」という、お金の“量”の話に入っていきます。
先に正直にお伝えすると、この問いに、万人共通の正解はありません。 年収も、家族構成も、貯金額も、人それぞれだからです。
でも、「どうやって決めればいいか」という考え方には、参考にできる順番があると思っています。今日は、私の決め方をそのまま公開します。
金額を決めたときの迷いだけでなく、世帯の2口座への配分、賞与が入ったときの資金移動、積立を減らす条件まで、現在の運用方法も具体的にお伝えします。
まず結論:金額そのものより「決め方」が大事
先に、わが家の数字をお伝えします。今、毎月30万円を新NISAで積み立てています。
30万円という数字は、家庭ごとに事情が違うので、そのままでは参考にならないかもしれません。それでもお伝えしたいのは、金額そのものではなく、その金額にたどり着くまでに踏んだ「順番」のほうです。
まず、現在の運用を数字でまとめると次のとおりです。金額そのものを勧める意図ではなく、一家庭の例として公開します。
| 項目 | わが家の現在地 |
|---|---|
| 世帯の新NISA口座 | 2口座で合わせて月30万円(うちクレカ積立20万円) |
| 企業型DC | 月30万円とは別枠 |
| 生活防衛資金 | 生活費の6ヶ月分を現金で別に確保 |
| ボーナス月の一括買付 | 0円・半年分の買付原資は口座へ先に置く |
| スポット購入 | 0円 |
月30万円の全額をクレカで積み立てているわけではありません。クレカ積立は世帯の2口座で月20万円、全体の約3分の2です。残り10万円は現金積立で、企業型DCはこの30万円に含めていません。
この金額へ増やす前に、確認したのは次の順番でした。
① 生活防衛資金を、投資とは別に現金で確保する
② その上で、投資に回せる「余剰資金」を見極める
③ 無理なく続けられる「毎月の積立額」を決める
この順番で考えると、月3万円の人も、月30万円の人も、「自分にとって無理のない金額」を探しやすくなります。ひとつずつ見ていきます。
月30万円へ増やす前に確認した3つのステップ
生活防衛資金を、投資とは別に現金で確保する
私は月33,333円で投資を始め、その後に家計を整えてきました。生活防衛資金をすべて用意してから初めて投資した、という順番ではありません。
月30万円へ増やす段階では、病気、ケガ、失業などに備える生活防衛資金を、投資資産とは別に現金で残しました。わが家にとっては、「万が一、収入が止まっても、しばらく暮らしていけるお金」です。
ここは投資ではないので、増やす必要はありません。いつでも引き出せる安心こそが価値です。
では、いくら確保すればいいのか。私の基準はこうでした。
会社員なので、生活費の「6ヶ月分」を最低ラインとして、現金で確保している。
会社員は、自営業の方に比べれば収入が安定しているぶん、生活防衛資金は少なめでもいいと言われることがあります。
それでも私は、家族の暮らしを守ることを考えて、最低でも半年分は手元に置くと決めました。ここが崩れると、暴落のときに積立を続ける胆力が出ないからです。
次に、投資に回せる「余剰資金」を見極める
生活防衛資金を投資とは別に置いたうえで、積立に回せる金額を見極めました。
投資に回していいのは、あくまで余剰資金。私の中での余剰資金の定義は、はっきりしています。
「大きく減っても、今後の人生が破綻しない金額」
投資には、元本割れのリスクがつきものです。だからこそ、大きく下がるケースを先に想像する。
「このお金が半分になっても、明日からの暮らしは回るか?」── そう自問して、イエスと言える範囲だけを投資に回す。これが、夜ぐっすり眠るための線引きでした。
そして、この余剰資金づくりで効いてきたのが、これまでの家計見直しです。
貯める力シリーズで年68万円を生み出した話をしてきましたが、こうして固定費の見直しで生み出した年約68万円は、全額を新NISAへ回しました。「浮かせたお金を、増やすお金に変える」── 貯める力と増やす力が、ここでひとつにつながります。
最後に、無理なく続けられる「毎月の積立額」を決める
生活防衛資金を投資とは別に確保し、余剰資金の範囲が見えたら、最後は毎月の積立額に落とし込みます。
ここでの合言葉は、ただひとつ。「無理なく、続けられること」です。
投資で大事にしているのは、やめないこと。どんなに大きな金額でも、半年で息切れして止めてしまっては続きません。逆に、少額でも10年、20年と続けられれば、複利が静かに効いてきます。
新NISAの開始に向けて金融資産を整理していたとき、現金に余裕が出始めていることに気づきました。「もう少し投資へ回せるかもしれない」と思ったのが、増額を考えたきっかけです。
ただし、制度が始まったからといって、すぐに月30万円へ変更したわけではありません。仕事の収入が増え、家計に余力が生まれた後、収入から支出を引いて本当に30万円を捻出できるか、毎月のキャッシュフローに無理がないかを何度も確認しました。
30万円にしたのは、区切りがよく、その時点の家計なら無理なく続けられると判断したからです。
初めて30万円分が買い付けられたときは、それまでの月10万円ほどから一気に増えて、「ここまで来たか」と感じました。SIDE FIREへ、また一歩近づけた気がしたのを覚えています。
その結果が、今の月30万円です。この30万円は、世帯の2つの新NISA口座を併用して積み立てています。ひとつの口座に集中させず、2口座に分けているかたちです。
「何年で枠を埋めるか」では考えない
ここで、よく聞かれることに触れておきます。「新NISAの非課税保有限度額1,800万円を、最短で埋めたほうがトクなのでは?」という話です。
たしかに、理屈の上では、早く投じたお金ほど長く運用に乗るので有利です。でも、私は「何年で枠を埋めきるか」を、目標にはしていません。
意識しているのは、ただひとつ。「無理なく続けられる毎月の積立額を、いかに増やしていくか」だけです。
もちろん、世帯の2口座でこの積立を続けていけば、結果として、新NISAの枠は少しずつ埋まっていきます。でも、それはあくまで“結果”であって、“目的”ではありません。
枠の完成を急いだのではなく、続けられる金額を追い続けた先に、自然と枠が埋まっていく ── 私にとっては、この順番こそが大切でした。
枠を急いで埋めることをゴールにすると、生活を削ってまで投資につぎ込む、本末転倒が起きやすい。
投資は、人生を豊かにするための手段であって、目的ではありません。だから、制度の枠に自分を合わせるのではなく、自分の暮らしのペースに、投資を合わせる。順番を逆にしないことを、何より大切にしています。
ボーナス月は一括購入せず、半年分の原資だけ先に置く
もうひとつ、わが家で決めていることがあります。ボーナス月の一括購入や、相場を見たスポット購入はしていません。
多くの証券会社には、ボーナス月だけ積立額を増やせる「増額設定」があります。便利な機能ですが、私はあえて使っていません。
ただ、「ボーナスを積立に使っていない」わけではありません。賞与が入った月に、これから半年分の買付に使うお金を、まとめて2口座へ移しておくようにしています。
そのうえで、実際に買うのは毎月30万円ずつ。賞与が入ったからといって、その月にまとめ買いをすることはありません。
賞与月に半年分の原資を分けておき、買付は毎月合計30万円のまま。
賞与前の時期は、投資用の現預金が減ってきて、「少しきついかもしれない」と感じることがあります。家族の支出が増える時期も同じです。それでも現在まで、入金忘れ、残高不足、積立停止、設定ミスはありません。
理由は、毎月の金額をできるだけ平らに保ち、買付原資を日常の支出と分けているからです。ボーナスも含めた年収全体から毎月額を決め、それを12ヶ月、一定のリズムで投じています。収入の前提が変われば、同じ金額に固執せず見直します。
このほうが、相場の上下に関係なく機械的に買い続けやすく、ドルコスト平均法とも噛み合います。『ウォール街のランダム・ウォーカー』から学んだ、「市場は読めなくても、自分の行動は規律よく」という教えが、ここにも効いています。
続けるために、お金を置く順番と減額条件を決める
月30万円を決めた後も、家計に余裕が出た分をすべて投資へ回しているわけではありません。現在は、次の順番でお金を置いています。
- NISA等へ年間360万円を積み立てる
- 現金を年間80〜90万円ほど増やす
- それでも余った分を、外食や家族旅行などの余暇へ使う
教育、家族旅行、健康、夫婦それぞれのお小遣いは、積立額を守るために削らないと決めています。週末に家族で出かけたときは外食を楽しみ、子どもが成長して一緒に来てくれなくなる前の家族旅行も大切にしています。
同時に、月30万円を減らす条件も決めています。
- 収入が想定ほど増えない、または減ったとき
- 夫婦どちらかに健康上の問題が起き、休職が必要になったとき
- 私立校や費用のかかる学部など、高校・大学の教育費が想定を超えたとき
積立額を下げることは、資産形成の失敗ではありません。家計の前提が変われば、続けられる金額も変わります。月30万円を守ることより、家族の暮らしを守ることを優先する。これも、金額を決めるときに必要な線引きだと考えています。
積立額を増やすとは、人生を整えること
最後に、いちばんお伝えしたいことを。
月30万円は、最初からこの金額だったわけではありません。ずっと少ない額からスタートして、少しずつ大きくしてきた結果です。では、どうやって増やしてきたのか。やったことは、突き詰めれば2つだけでした。
| 段階 | 毎月の積立 | そのときの変化 |
|---|---|---|
| 1口座で開始 | 33,333円 | 旧つみたてNISAで少額から始めた |
| 世帯の2口座へ | 66,666円 | 家計で目的・資金源を確認し、2口座で年80万円へ |
| ETFを追加 | 月10万円ほど | NISAに加えて、米国高配当ETFも少しずつ買い足した |
| 増額の土台づくり | 月10万円ほど | 固定費を年約68万円削減し、現金にも余裕が出てきた |
| 収入増と家計改善後 | 30万円 | 家計に無理がないことを確認して設定を変更 |
| 現在 | 30万円 | 同額を継続。ボーナス月の一括買付0円、スポット購入0円 |
始めた頃の月33,333円から思えば、ずいぶん遠くまで来たものです。もちろんこれは運用で増えた額ではなく、あくまで毎月の入金額の話ですが、それでも一歩ずつ積み重ねてきた実感があります。
収入を増やし、支出を減らす。 積立額は、その差額として、自然に大きくなっていく。
具体的に、わが家が長い時間をかけて取り組んできたのは、次のことです。
- 収入を増やす ── 仕事の収入と世帯の入金力を高めてきました
- 支出を減らす ── 固定費の見直しで、年約68万円の余白をつくってきました
固定費の見直しで浮いた年約68万円は、全額を新NISAの積立へ回しました。一方、家計全体では月30万円の積立を続けながら、必要な現金も残し、家族旅行などの余暇は削っていません。
今の暮らしを削り切らず、続けられる範囲で増やすことも、月30万円を維持するための判断でした。
こうして並べてみると、あらためて感じることがあります。資産運用は、人生(ライフスタイル)そのものと、深く連動しているということです。
どんな仕事をして収入を得るのか。何を削って支出を減らすのか。何にお金を使って、幸せを感じるのか。そして、何にいくら投資して、どこまで増やしたいのか。
これらをひとつにつなげて整えていくと、結果として、資産も静かに積み上がっていく。積立額を増やすという行為は、ただ数字をいじることではなく、自分の人生の設計図を描き直すことなのだと、私は思っています。
これは、わが家がSIDE FIREを目指す理由とも、まっすぐにつながっています。
まとめ:金額より、たどり着き方
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
「新NISA、毎月いくら積み立てる?」── この問いへの、私の答えをまとめます。
- 月30万円へ増やした段階で、生活防衛資金約200万円(およそ生活費6か月分)を投資とは別に現金で確保していた
- その上で、「大きく減っても破綻しない」余剰資金だけを投資に回す
- 無理なく続けられる毎月額を決める。枠を急いで埋めようとしない
- 世帯の2口座で月30万円を積み立て、賞与月は半年分の原資だけを先に置く
- 家族の健康や教育費など、積立を減らす条件も先に考えておく
- 増やすコツは、収入を増やし、支出を減らすこと
月30万円という数字は、参考程度でかまいません。大切なのは金額そのものではなく、その金額に、無理なくたどり着くための順番です。
私自身、月3万円ちょっとから始めました。金額の大小ではなく、続けられること。それが、自分に合った金額なのだと思います。
次回は、その毎月の積立を、少しでも効率よく続けるための話 ──クレカ積立とポイント投資について、実際のやり方をお話しします。
生活防衛資金を別に確保したうえで、「無理なく続けられる毎月の積立額」を、ひとつ決めてみるのもいいかもしれません。月3万円でも大丈夫です。大切なのは金額の大小より、やめずに続けられること。少額から始めて、家計に合わせて育てていけます。
明日もまた、歩きながら考えます。
はいと
40代・4人家族のビジネスパーソン。
毎朝、歩きながらお金と人生のことを考えています。
※本記事は、筆者(はいと)の実体験にもとづく考え方を紹介したものです。投資は元本割れのリスクを伴います。最終的な投資判断は、ご自身の責任でお願いします。
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