iDeCo、始めようとしてやめました。企業型DCのマッチング拠出を選んだ理由

朝の光が差し込む並木道が二手に分かれ、どちらもやわらかな光へ続く水彩風景
「iDeCoはやったほうがいい、ってよく聞くけれど」
「企業型DCをやっていれば、いらないの?」

私は一度、iDeCoを始めようとして、途中でやめました。金融機関を比べ、手数料も調べたところで手が止まったのです。理由は、制度が悪かったからではありません。自分がどの枠にいるのかを、分かっていなかったからでした。投資歴約7年・40代が、その顛末を書きます。

増やす力シリーズの「応用・出口」ステップ、2本目です。前回の企業型DCの続きになります。


一度は、始めようとしました

先に、あまり書かれていない話をします。

私は一度、iDeCoを始めようとして、途中でやめています

新NISAで積立が軌道に乗ったころ、次はiDeCoだと考えました。掛金が全額所得控除になる。会社員にとって、そんな制度は多くありません。やらない理由がないと思っていました。

金融機関を比べ、手数料を見て、資料も取り寄せました。ここまでは、前向きに進んでいたのです。


併用できないと知って、手が止まりました

ところが、調べを進めるうちに引っかかりました。

会社の企業型DCでマッチング拠出をしていると、iDeCoとは併用できない。iDeCo公式サイトにも、そう説明されています。

つまり私の場合、iDeCoを始めるなら、いま続けているマッチング拠出をやめる必要がある。足し算ではなく、置き換えだったのです。

正直、そこで初めて理解しました。それまでは「両方使えば、非課税の器が増える」と思い込んでいたからです。制度を並べて比べる前に、自分がどの枠にいるのかを確認すべきでした。

そこから先は、比較になりました。マッチング拠出をやめてiDeCoへ移るか、いまのまま続けるか。


結局、いまの形を続けています

比べた結果、マッチング拠出のままにしました

決め手は、前回書いたとおり手を動かさなくていいことです。給与天引きで、口座を新しく開く必要もなく、管理先が増えない。上乗せ分は所得控除の対象になるので、税制面でも大きくは変わりませんでした。

そして、2026年4月にマッチング拠出の上限が撤廃されました。「自分の上乗せ分は会社の掛金を超えられない」という制限がなくなり、会社の規約が認めていれば、以前より多く積み増せます。いまの形を見直す理由は、当面なさそうです。

意外だったのは、併用できないと分かったとき、がっかりしなかったことです。

むしろ、すっきりしました。選択肢が減ったぶん、迷わなくて済む。 どちらが得か比べ続けるより、決まっている形で続けるほうが、自分には合っていました。

制度の優劣ではなく、自分にどの器が用意されているか。 そこから考えるようになりました。

制度のところは、短く

iDeCo自体の説明も、要点だけ書いておきます。詳しくはiDeCo公式サイトが正確です。

iDeCoは、自分で申し込んで、自分で掛金を出す私的年金です。原則60歳まで引き出せません。

新NISAとの大きな違いは、掛金が全額所得控除になること。新NISAは運用益が非課税になるだけで、掛金そのものは控除されません。ここがiDeCo最大の強みです。

一方で、口座管理手数料がかかる点と、60歳まで動かせない点は、新NISAにはない制約です。


iDeCoが向いているのは、どんな人?

私は使っていませんが、調べた過程で「この人たちには効くだろう」と感じた条件があります。ここは体験ではなく、公式情報を確認したうえでの整理です。

  • 自営業・フリーランスの人。会社員のような企業年金がなく、公的年金も国民年金が中心。だからこそ、自分で上乗せできるiDeCoの意義が大きいとされます(掛金の上限も加入区分によって異なります)。
  • 勤め先に、企業型DCがない会社員。会社の制度で老後資金を積み立てる仕組みがないぶん、iDeCoが有力な選択肢になります。
  • 専業主婦(主夫)など。所得控除の効果は本人の課税所得によって変わりますが、運用益非課税などの特徴はあります。

逆に、私のように企業型DC+マッチング拠出を使えている会社員は、まずそちらを確認するのが先だと思います。

調べていて腑に落ちたのは、ここでした。iDeCoは「良いか悪いか」で決まる制度ではなく、「ほかに器があるかどうか」で必要度が変わる制度なのです。

私が最初につまずいたのも、まさにそこでした。制度の中身を比べる前に、自分がどの区分にいるのかを見ていなかった。 順番が逆だったのです。


知っておきたい、iDeCoの注意点

始めようとしていたとき、私が実際に確認したのがこの4点でした。結果的に加入はしませんでしたが、調べた内容はそのまま残しておきます。

  • 原則60歳まで引き出せない。これは企業型DCと同じ。生活に必要なお金を入れるのは避けたいところです。投資に回すお金とは別に生活防衛資金を確保しておくのが大前提。
  • 口座を管理する手数料がかかる。金融機関によって差があるので、ここはよく比べたいところ。
  • 金融機関も、運用商品も、自分で選ぶ。企業型DCと違って、入り口から自分で動く必要があります。手間はかかりますが、その分、選択肢も自分で比べられます。
  • 掛けられる上限は、人によって違う。自営業か会社員か、企業年金があるかどうかなどで変わります。

どれも「だから使えない」という話ではありません。ただ、「原則60歳まで引き出せない」だけは、腹落ちさせてから始めたほうがいいと感じました。企業型DCで同じ制約を経験しているぶん、その重さは実感があります。

なお、iDeCoは2026年12月に制度が変わる予定です。加入できる年齢が65歳未満から70歳未満へ広がり、掛けられる上限額も引き上げられます。

ただし、マッチング拠出をしている人はiDeCoに加入できないという点は、改正後も変わりません。これから検討する方は、最新の内容を公式サイトで確認してみてください。


iDeCoと新NISA、どっちから?

「iDeCoと新NISA、結局どっちから始めればいいの?」── これもよく聞かれる問いだと思います。

正解はひとつではありませんが、私は「まずは、必要に応じて売却しやすい新NISAから」だと考えています。これから教育費などライフイベントが控えている世代にとって、お金を動かしやすい柔軟さは、それ自体が大きな安心になるからです。

そのうえで、

  • 自営業で、ほかに老後資金の器が少ない → iDeCoを検討する余地が大きい
  • 会社員で、企業型DC(+マッチング拠出)を使える → まず勤務先の制度を確認する

というように、自分の置かれた環境で考えるのがいちばんです。

私の場合は、新NISAをコアに据えつつ、企業型DCのマッチング拠出で老後資金を積み増している。だから今は、iDeCoまで手を広げていません。でもこれは、私の答えであって、誰にでも当てはまるものではありません。


まとめ:制度ではなく、自分の器から考える

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

iDeCoは、掛金が全額所得控除になる制度です。それでも私が使っていないのは、企業型DCのマッチング拠出という、自分に合った器がすでにあったから。ただ、それだけの理由です。

「みんながやっているから」ではなく、「自分の環境に合うから」。そこで選ぶ。

自営業の人や、企業型DCのない会社員にとっては、iDeCoが有力な選択肢になることがあります。逆に、企業型DCを活かせる人は、まず勤務先の制度を確認する。大事なのは、自分にどんな「器」が用意されているかを知り、合うものから順番に検討していくことだと思います。

次回は、ずっと向き合ってきたテーマ、子どもの教育費について書く予定です。

🌱 最後に、ひとつだけ

iDeCoが気になっているなら、まずは自分が加入できるか、そして毎月いくらまで出せるかを確認してみてはいかがでしょうか。公式サイトの簡単な診断で分かります。急いで始めなくても、選択肢を知っておくだけで判断がしやすくなります。

明日もまた、歩きながら考えます。


🚶 はいと
40代・4人家族のビジネスパーソン。
毎朝、歩きながらお金と人生のことを考えています。

※本記事は筆者自身の経験と、公開情報をもとにまとめたものです。iDeCo・企業型DCの制度内容や上限額、手数料は変更される場合があり、加入区分によっても異なります。最新かつ正確な情報は、公的機関や各金融機関の案内でご確認ください。投資は元本割れのリスクを伴います。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。


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