転職先の選び方。家族の暮らしと1年の自己分析で決めた5つの条件
「転職先って、何を基準に選べばいいの?」
基準は、求人を見る前に自分で決めておくものでした。
私は1年かけた自己分析で、これまでの仕事が自分に合っていると確かめ、望む働き方も整理しました。そのうえで、家族で暮らす地域から、通勤・収入・仕事内容・休み・会社の将来の5つを条件にしました。仕事と企業を絞り込めたことで、自信を持って面接に臨めました。
始まりは、家族で「どこに住むか」を決めたこと
私が転職したのは30代のころ。転職は、いまのところこの一度だけです。
始まりは、妻との「子どもたちに地元を作ってあげたいね」という話し合いでした。将来、共働きをすることも考えて、妻の実家に近い地域へ引っ越すことにしたのです。
その地域は子育てがしやすい環境でした。「ここなら、のびのびと育てられるね」と話して、住む場所を決めました。
家族がどう暮らしたいかを先に考え、その暮らしに合う働き方を探した。 これが、私の転職の出発点。
住む地域が決まると、通える会社の範囲も決まります。収入の条件だけでは見えなかった、毎日の暮らしが見えてきました。
私にとっての転職は、家族の生活と仕事を一緒に考える機会でした。
転職先を比べる前に、譲れない条件を5つ決めた
仕事に求める条件は、一度すべて書き出しました。労働時間、給料、休み、仕事内容、福利厚生などです。その中から、転職先を選ぶときに特に重視したのが次の5つでした。
| 重視した条件 | 私が求めていたこと |
|---|---|
| 通勤時間 | 1時間以内で通えること |
| 収入 | それまでと同等、もしくは上がること |
| 仕事内容 | これまでの経験を活かせること |
| 休み | 土日が休みであること |
| 会社の将来 | 安定性と成長性があること |
収入が上がることだけで、転職先を決めたわけではありません。 住む場所、通勤、休日、仕事内容も含めて考えました。
どれか一つだけを見れば、判断はしやすいかもしれません。でも、働き始めたあとには、その全部が毎日の生活に関わってきます。
通える場所にあっても、経験を活かせる仕事なのか。仕事内容が合っていても、望む働き方と両立できるのか。そうした条件を一緒に見ていました。
会社の安定性に加えて、成長性も重視しました。ただし、先のことを確実に見通せるわけではありません。ここに書いたのは、当時の私が選ぶときに大切にした条件です。
条件の優先順位は、家族の状況や働き方によって変わります。転職を考えていた頃の自分に伝えるなら、まずは「どんな暮らしを続けたいか」を言葉にするところからです。
自己分析に1年。「これまでの仕事が自分に合っている」と分かった
転職のとき、やってよかったと思うのが自己分析にしっかり時間をかけたことです。かけた時間は、1年。
使ったのは、『史上最強の人生戦略マニュアル』という本。自分と向き合うためのワークがとても多く、それを毎朝30分、1ページずつ丁寧に進めていきました。
過去の経験や、そのときに感じたことを掘り下げる。自分の人生観や価値観を見つめ直す。深く考えながら進めていたら、1年ほどかかっていました。働きながら、少しずつの積み重ね。
強みと弱みは、10個ずつ書き出しました。仕事の経歴だけでなく、どんな仕事をしていきたいか、どんな働き方がよいかも考えました。
ワークを終えて分かったのは、これまでやってきた仕事が自分に合っているということでした。これからどんな人生を歩んでいきたいかも、おぼろげながら輪郭が見えてきました。
求人を本格的に探し始めたのは、そのあとです。 自分に合う仕事が分かると、探す仕事も企業も絞り込めます。
「経験を活かせる仕事」という条件に、自分なりの中身ができた。 私にとって、そのための時間でした。
働きたい仕事と望む働き方が明確になったことで、面接にも自信を持って臨めました。自分が何を求めているかを、自分で分かっていたからです。
自己分析に1年。遠回りに思えるかもしれません。でも、結局は近道だったと思っています。 自分に合う仕事が分かっていたから、探す仕事も会社も、はじめから絞り込めました。
転職を考える人に、一つだけすすめるなら、この時間を取ることです。かける期間は、人それぞれでいいと思います。まずは、強みと弱みを10個ずつ書き出すところから始めてみてください。
いま振り返っても、「自己分析に時間をかけて、やってよかったね」と当時の自分に伝えたいです。
自分の市場価値を把握し、安売りしない
もう一つ、いまの私が当時の自分に伝えたいことがあります。自分の市場価値(自分の経験や強みが、転職市場でどう評価されるか)を把握し、安売りしないことです。
当時の私は、収入の条件を「同等、もしくは上がること」にしました。経験を活かせる仕事で、暮らしの条件も合う。そのうえで、自分の経験や強みを、できるだけ高く評価してくれる会社を選ぶ。 これが、いまの私がすすめたい選び方です。
仕事が見つかることだけを目標にすると、自分の経験の価値を見落としてしまうかもしれません。これまでの経験を、自分で安く見積もらないこと。
とはいえ、条件を上げすぎれば、選べる会社は減ります。安売りしないことと、高望みしすぎないこと。その間で決めるのが大事だと思います。
面接では、自分も会社を選ぶ姿勢を大切にした
面接では、会社が求める人物像と、仕事内容を細かく質問しました。会社に選ばれるだけでなく、自分も会社を選ぶ。 この姿勢を大切にしていました。
会社が求めている人と、自分が働きたい仕事。その両方が合っているかを確かめる場として、面接を考えたのです。
求人の条件が合っていても、実際に求められる仕事が自分の経験と合うかは、別に確認が必要です。だから、仕事内容を詳しく聞くことも大事にしました。
会社が求める人物像も、自分に関わる話です。どんな人を求めているのかが分かれば、そこに自分の強みを活かせるか考えられます。
私が大切だと思うのは、会社と自分のニーズが合っていること。入社できることと、その場所で自分に合う仕事を続けられることを、一緒に考えたい。
仕事や働き方の軸ができていたので、相手の説明を自分の希望と照らし合わせられました。
エージェントには、書類と会社の情報を相談した
私は転職エージェントも利用しました。相談したのは、経歴書の推敲(文章を見直して、より伝わる形に整えること)、会社の社風、募集要項などです。
自分で整理したことも、書類や面接で相手に伝わらなければ、判断の材料にはなりません。自分で考えたことを、相手にも伝わる形にする。 書類を見直すのは、そのための作業でした。
会社については、社風や募集要項を聞きました。面接で仕事内容を詳しく聞くことと、エージェントから会社の情報を聞くこと。両方を通して、転職先を考えました。
エージェントに相談することと、自分で選ぶことは一緒にできます。どんな働き方をしたいか、仕事で何を活かしたいかは、自分で整理しておく必要がありました。
自己分析で自分の軸を作り、相談を通して書類と会社の情報を確かめる。 私の転職活動では、その両方が役立ちました。
結果は収入アップ。選んだ会社で、いまも働いている
結果として、それまでの経験を活かせる会社に転職でき、収入は上がりました。
妻の実家が近くにある暮らしは、子育ての心強さにもつながりました。家庭の土台が安定し、私自身も仕事に集中できる環境になったと感じています。
転職先では、その後も働き続け、いまは管理職を務めています。移った先で経験を積み、昇進してきました。
収入が上がったことは、もちろんありがたかったです。ただ、振り返って伝えたいのは、その会社を選ぶまでの考え方。
家族で暮らす場所を決め、自分を見つめ直して、働く条件を整理する。面接で会社が求める人と仕事を確かめ、自分も選ぶ姿勢で向き合う。その積み重ねが、私の転職先選びでした。
同じ条件で選んでも、同じ結果になるとは限りません。私の経験から伝えられるのは、仕事と暮らしの両方を考えて選んでよかった、ということです。
まとめ:自己分析で、自分が会社を選ぶ軸を作る
転職先を選ぶ前に、自分に合う仕事と望む働き方を整理する。自己分析が、私の選ぶ軸になりました。
私の場合は、1年かけて、これまでの仕事が自分に合っていると分かりました。その気づきで、仕事も企業も絞り込めたのです。遠回りに見えて、近道でした。
条件は、通勤・収入・仕事内容・休み・会社の将来の5つ。面接では、自分も会社を選ぶ姿勢で臨みました。いまなら、自分の市場価値を把握して安売りしないことも付け加えます。
転職を考えているなら、求人を見る前に、強みと弱みを10個ずつ書き出してみてください。どんな仕事が自分に合うのか、何を大切にして働きたいのか。その言葉が、会社を選ぶときの自分の軸になります。
明日もまた、歩きながら考えます。
はいと
40代・4人家族の会社員。
お金の知識がなかった、あの頃の自分に向けて書いています。
※本記事は、私自身の経験にもとづく考え方です。転職の判断や結果には個人差があります。ご自身の状況に合わせてご判断ください。
情報の出どころ
- 本記事は、私自身の転職(30代のころ・一度だけ)の経験にもとづいています。外部資料は使用していません。
- 自己分析に使った本:フィリップ・マグロー著、勝間和代訳『史上最強の人生戦略マニュアル』(きこ書房、2008年)
- 勤務先、利用したエージェントの名前、収入の具体額は載せていません。

はいと

