投資で大事なことは、たった5つ?『投資の大原則』が教えてくれたシンプルの強さ
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執筆・確認:はいと|40代・4人家族の会社員。2019年に月3万円ほどから積立を始めて約7年。暴落でも売らずに続け、いまは世帯で月30万円。
「積み立ては続けている。でも、このやり方で本当にいいんだろうか」
投資で大事なことは、拍子抜けするほどシンプルでした。貯めて、分散して、低コストで、続ける。
『投資の大原則』は、インデックス投資を説いてきた2人が、それを薄い一冊にまとめた本です。答え合わせのつもりで読んで、いまのやり方でいいと再確認できました。
『投資の大原則』ってどんな本?
先に、読んだタイミングを書いておきます。
私がこの本を手に取ったのは、投資を始める前ではありません。ある程度続けたあと、自分のやり方が合っているか確かめたくて読みました。
積立を続けていると、ときどき不安になります。相場が下がった月、あるいは何も起きていない月に、ふと「このやり方でいいのだろうか」と思う。答え合わせがしたくなったのです。
そこで選んだのが、この一冊でした。『ウォール街のランダム・ウォーカー』と『敗者のゲーム』——先に読んでいた2冊の著者が、共著で薄い本を出している。そのエッセンスだけを確かめられそうだと思いました。
投資の前に「まず、貯蓄から」
読んでいて、いちばん印象に残ったのは第1章のタイトルでした。
「まず、貯蓄から」。
投資の本を開いたのに、最初に出てくるのが貯蓄の話なのです。
支出を収入より低く抑え、その差額をコツコツ投資に回す。そこが土台だと、繰り返し説かれていました。
意外だった。名著の著者が共著で書く本なら、もっと運用の技術から入ると思っていたからです。
同時に、少し救われた気持ちにもなった。私はこのシリーズの前に、固定費を見直して年68万円を浮かせることに、まるまる時間を使っています。地味で、誰にも褒められない作業でした。
あれが遠回りではなかった。 順番として、あれで合っていた。そう言ってもらえた気がしました。
「72の法則」で、時間の力を実感する
この本では、「72の法則」も紹介されている。これは、何年で資産が倍になるかを、ざっくり試算できる法則です。
72 ÷ 利回り(%) ≒ 資産が倍になるまでの年数
たとえば、年5%で運用できれば「72 ÷ 5 ≒ 14年」で資産は倍に。年7%なら、約10年です。複利(増えた分にも利益がつくこと)の力を、たった一本の割り算でイメージできる。シンプルだけれど、長く投資を続けるモチベーションになる考え方です。
二人の巨匠がたどり着いた「5つの原則」
本書の核は、シンプル。「シンプルな投資」として示すのは、低コストで広く分散されたインデックス投資の有効性。続けて、分散投資の重要性を徹底して説きます。
そして最後のまとめとして、個人投資家が守るべきことが、5つのポイントに凝縮されています。
- 1. 若いうちから貯蓄を始め、続けること
- 2. 会社の福利厚生制度や国の制度を活用し、税制優遇を得ること
- 3. 市場全体に投資する低コストのインデックス・ファンドを資産に組み入れること
- 4. 年に一回、資産配分を見直すこと
- 5. 市場の値上がり・値下がりを気にせず、自分の決めた投資方法を守ること
驚くほど地味です。でも、この5つを淡々と守れる人が、資産形成に近づいていく。二人がそれぞれの名著で何百ページもかけて伝えてきたことが、ここに静かに収まっています。
5つのうち、ひとつだけできていません
せっかくなので、自分に当てはめてみます。
| 原則 | わが家 |
|---|---|
| 1. 若いうちから貯蓄を始め、続ける | ○ 2019年に始めて、一度も止めていません(「若いうち」とは言えませんが) |
| 2. 制度の税制優遇を得る | ○ 新NISAと、企業型DCのマッチング拠出 |
| 3. 低コストのインデックスファンドを組み入れる | ○ 全世界株のオルカン |
| 4. 年に一回、資産配分を見直す | ✕ やっていません |
| 5. 値動きを気にせず、決めた方法を守る | ○ 暴落でも売っていません |
4つめだけ、できていません。
わが家の資産配分は、株式と現金の2つだけです。毎月コツコツ積み立てて、残ったぶんを現金で置いておく。それだけなので、比率を測って戻す作業をしていません。
債券や不動産を組み合わせていれば、年に一度の見直しは要るはず。ただ、いまの形では、そこに手間をかける理由が見つかっていません。
この本が言う「見直し」を、私はまだ実行していない。 そこは、そのまま書いておきます。
ちなみに「2」の税制優遇は、日本に住む私たちなら新NISAやiDeCoに置き換えて読めます。本書はアメリカの本なので、日本の制度とは前提が違います。それでも、新NISAの仕組みを知っていれば、自分の状況に引き寄せて読めます。
私がこの本で“再確認”した2つのこと
この本を読んで「新しい発見に衝撃を受けた」わけではありません。むしろ、逆。先に読んだ本から学んだことを、すでに実践している最中に読んだ本です。感じたのは、「やっぱり、向かっている方向は正しいんだ」という静かな安心でした。
1向かっている方向は、間違っていなかった
低コストのインデックスファンド(市場全体の動きに連動する投資信託)を、分散して、長期で持つ。税制優遇の器(新NISA)を活用する。私がコツコツ続けてきたことが、本書の考え方と重なっていました。
投資をしていると、ときどき「本当にこのやり方でいいのかな」と不安になる瞬間があります。そんなとき、信頼できる本に「それで合っているよ」と背中を押してもらえる。自分の航路を再確認できる。この本は、私にとってそういう一冊でした。
2「続ける」は、気合いではなく仕組みの話だった
5つのポイントの最後は、「市場の値上がり・値下がりを気にせず、自分の決めた投資方法を守ること」でした。
ここを読んで、腑に落ちたことが。私がここまで積立を続けてこられたのは、意志が強かったからではありません。クレカの自動積立にして、毎月いちいち決断しなくていい形にしておいたからです。
「続ける」は気合いの話に聞こえます。でも、5つを並べて読むと、そうではないと分かる。決断する回数を、あらかじめ減らしておく設計の話です。暴落で売らなかったときも、私は毎回ぐっと踏みとどまったわけではなく、そもそも踏みとどまる場面が少なくて済んでいました。
先に読むか、あとに読むか
すでに始めていて、答え合わせがしたい人。 私はこの本を、投資を始める前ではなく、ある程度続けたあとに読みました。それでよかったと思っています。新しい発見より、「向かっている方向は合っている」という静かな安心のほうが大きかったからです。
固定費の見直しに時間を使っている人。 第1章が「まず、貯蓄から」です。地味な作業の最中に読むと、あれは遠回りではなかったと言ってもらえます。
分厚い名著に気後れしている人。 『敗者のゲーム』と『ウォール街のランダム・ウォーカー』の著者が、二人でエッセンスだけを短くまとめた本です。順番として、こちらを先に読む手もあります。
逆に、すでに2冊とも読んでいる人には、重なる部分が多いはず。私にとっても、この本の価値は新しさではなく、5つの原則で自分を採点できたことのほうにありました。
まとめ:シンプルを、信じて続ける
貯めて、分散して、低コストで、続ける。それだけを、淡々と。 『投資の大原則』で二人の巨匠がたどり着いたのは、拍子抜けするほどシンプルな結論でした。
特別なテクニックや、相場を読む才能に頼りすぎない。地味な原則を信じて続けられるかどうか。投資の結果は、そこに左右される部分が大きいのだと、改めて教えてくれる一冊です。
分厚い投資本に気後れしているなら、まずこの薄い一冊『投資の大原則』を手に取ってみてください。「貯めて、分散して、低コストで、続ける」──たった5つの原則を、今日ひとつでも実践に移せたら、それで十分な一歩です。
明日もまた、歩きながら考えます。
はいと
40代・4人家族の会社員。
お金の知識がなかった、あの頃の自分に向けて書いています。
※本記事は書籍の内容を、筆者なりの解釈でまとめたものです。投資は元本割れのリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
情報の出どころ
- バートン・マルキール、チャールズ・エリス『投資の大原則』日本経済新聞出版
- 金融庁|NISA特設ウェブサイト
- iDeCo公式サイト|iDeCo(個人型確定拠出年金)

はいと

